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ヘルニアなのに,なぜ非該当?(交通事故)

2018.03.19

交通事故でヘルニアと診断された方へ

 ヘルニアが画像に写っているので,後遺障害の等級が認められるべきであり,非該当は納得できないとの相談を多く受けます。
 そこで,自賠責はいかなる判断を行い,後遺障害の等級認定をしているのか,実際の認定理由を見ながら考えてみましょう。

14級9号が認められた理由の抜粋

  以下は,14級9号の認定理由です。
  ほぼ原文のままです。

 「腰椎捻挫」後の,「腰痛」等との症状については,提出の画像上,変性所見は認められるものの,本件事故による骨折等の明らかな外傷性変化は認め難く,その他診断書等からも,症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから,他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられません。
しかしながら,治療状況,症状推移なども勘案すれば,将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから,「局部に神経症状を残すもの」として別表第二第14級9号に該当するものと判断します。

非該当とされた理由の抜粋

  以下は,非該当の認定理由です。
  こちらも,ほぼ原文のままです。

 頚椎捻挫後の頚部痛,左手しびれ等の症状については,頚部画像上,変性所見は認められるものの,本件事故による骨折等の明らかな外傷性の異常所見は認め難く,後遺障害診断書上も自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え,その他治療状況等も勘案した結果,将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いことから,自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断します。

上記の認定理由から分かること

 注目して頂きたいのは,両事例とも前半部分は全く同じ表現がなされている点です。
 上記理由の「変性所見は認められる」という点が,画像上ヘルニアが認められるということを示しています。
 もし仮に,自賠責が,画像上ヘルニアが認められる点のみで後遺障害の等級の認定を行っているとするならば,上記のいずれについても後遺障害の等級の認定がなされてしかるべきです。
 しかしながら,上記を見ればお分かりになると思いますが,実際の認定はそのようにはなっていません。
 その理由は,ヘルニアは,加齢とともに誰にでも生じるものであり,事故のみが原因でヘルニアが生じることは稀であるということが医学的に承認されていることによると思われます。
 では,自賠責は,変性所見以外に何を重視しているのでしょうか。
 それは,上記認定例が示す通り,「治療状況,症状推移など」,「その他治療状況等」なのです。
 すなわち,自賠責は,どのような治療を行い,どのような経過を辿って症状固定に至ったかも重視しているといえます。
 自賠責が,医師が,どのような治療を行い,どのような経過を辿って症状固定に至ったかを知る方法は,主に後遺障害の等級の申請の際に提出する診断書です。
 したがって,医師が,いかなる治療を施し,診断書にいかなる記載をするかによって後遺障害の等級認定の可能性は大きく異なるということがいえます。

不幸にも非該当とされてしまったら

 不幸にも非該当と判断されてしまった場合,異議申立てを検討しましょう。
 上記の通り,通院日数が極端に少ない場合には異議申立てで後遺障害の等級が認定されることは少ないと思いますが,通院日数が比較的多い場合や神経学的検査で異常が認められる場合には異議申立てをする価値はあると思います。
 もし神経学的な検査を行っていないのであれば,神経学的な検査を行ってくれる医師のもとで検査を受けたうえで異議申立てをするのが良いと思います。
14級の判断に納得できない方

 14級が認定されたが,12級が適切な等級であるとお考えの方も神経学的な検査を行って異議申し立てをすることが重要です。
 特に,12級については,痛み痺れの原因が「医学的に証明」出来ることが必要ですので,神経学的な検査で異常が認められることは必須であると言っても過言ではありません。

まとめ

 後遺障害の等級が認定される可能性は,症状固定までに適切な検査・治療を行い,そのことを適切に診断書に記載したかにより大きく異なります。
 症状固定の段階に至って,それまで行った治療や診断書の記載を変更することは不可能ですので,医師・病院選びは慎重に行って下さい。

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 大阪鶴見法律事務所は,交通事故の法律相談は初回無料です。
 ヘルニアで非該当と判断された方,14級の認定に納得できない方につきましては,後遺障害診断書及び画像をお見せ頂き,検査が不足している場合には追加の検査をした上で異議申し立てを行っております。
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