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大阪で高次脳機能障害に詳しい弁護士(交通事故)

2018.03.27

高次脳機能障害に詳しい弁護士をお探しの方へ

最近、大阪以外の地域からも、交通事故で高次脳機能障害が疑われる方からの問い合わせ増えております。

しかし、医師や弁護士から十分なアドバイスを受けることが出来ていないことから、明らかに間違った対応をしている方が多い印象を受けます。

そこで、交通事故で高次脳機能障害が疑われる場合の対処方法について説明いたします。

交通事故で意識不明に陥った方は、高次脳機能障害が残存する可能性が非常に高いことから、適切な対応をして下さい。

高次脳機能障害が疑われる病名一覧

交通事故で下記の傷病名が付いた場合には高次脳機能障害の可能性がありますので注意してください。

病名(傷病名)一覧

  • 脳挫傷
  • 頭蓋内血腫(出血)
    • 硬膜外血腫(出血)
    • 硬膜下血腫(出血)
    • くも膜下血腫(出血)
  • 頭蓋骨骨折
  • 頭蓋底骨折
  • 脳震盪
  • 頭部打撲
  • 頭部外傷Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型
  • びまん性軸索損傷

交通事故直後に上記のような診断を受けた方は、たとえ意識が回復しても、高次脳機能障害の可能性があります

高次脳機能障害は見逃されることが非常に多い後遺障害ですので、最後までしっかり読んで頂き、適切な対応をしていただければと思います。

脳外科での治療だけでは不十分

交通事故で頭部外傷を負った場合、脳外科で治療を受けるのが一般的です。

脳外科においては、専ら脳からの出血を止める目的の治療が実施されます。

したがって、脳からの出血が止まり、その後の出血の可能性が低くなった場合、脳外科の医師から、これ以上治療する必要ないと言われることが少なくありません。

確かに、出血が止まった以上、脳外科でそれ以上の治療を行う必要はありません。

しかしながら、ここで注意すべきは、脳外科での治療の必要がない=元の状態に戻ったではないということです。

なぜなら、一度損傷した脳は、再生することはなく、損傷した脳が担っていた何らかの機能が失われている可能性が非常に高いからです。

例えば、言語を掌っていた部分を損傷した場合には、発言が困難になるなど何らかの障害が残存している可能性が非常に高いのです。

この点は、皮膚を切って出血した場合に、出血が止まり、かさぶたができ、かさぶたが取れれば元通りなるのと全く異なっていますので、注意が必要です。

そこで、本来、出血の可能性がなくなった後、脳の損傷により、どのような機能が失われたかを検査し、今後、どのような生活を送るべきかを考える必要があるのです。

ところが、このような検査は、一般的に精神科において実施されるのですが、脳外科の医師は、出血を止め、命を取り留めることを重視する傾向にあり、残存した機能障害について無関心なことが多いことから、精神科を受診するよう勧めることは稀で、その結果、十分な検査が実施されることなく全ての治療が終了することが少なくないのです。

脳外科の医師が言う、治療の必要はない=完治ではないということを肝に銘じて適切に対応して下さい。

高次脳機能障害とは

簡単に説明すると、高次脳機能障害とは、大脳が損傷を受けたことによって、認知障害、行動障害、人格変化が起こることを言います。

重度の高次脳機能障害の場合には、寝たきりの状態になるなど、明らかな認知障害、行動障害、人格変化が生じることから、後遺症(後遺障害)が見逃されることは少ないと思われます。

しかし、軽度の高次脳機能障害の場合には、なんとなく物覚えが悪くなった、少し性格が変わったなど、現れる変化が小さいことから後遺症(後遺障害)が見逃されることが多々あります。

交通事故によって意識不明の状態に陥った場合、家族にとっては、意識を回復するかが一番の関心事であり、意識を回復した後のことを考える余裕などないことから高次脳機能障害が見逃されることも無理もないことなのかもしれません。

家族など周りの人が行うべきこと

軽度の高次脳機能障害の場合、赤の他人が障害に気付くことは困難であるように思います。

人には個性があり、気性の荒い人、温和な人、几帳面な人、大雑把な性格の人、頭の回転が早い人、頭の回転が遅い人など様々な人が存在しますので、交通事故前の状態を知らない他人の目からは、個性なのか障害なのかを判断することは非常に困難だからです。

そこで、家族など周りの人は、交通事故前と交通事故後で何か変わったこ点がないかを注意深く観察する必要があります。

精神科を受診した際には、医師から必ずと言って良いほど聞かれますので、交通事故前と交通事故後で、どのような点が変わったかをメモ書きにして残しておくと、検査の際に役立つと思います。

高次脳機能障害において必要な検査

一般的に、交通事故後、半昏睡・昏睡(意識不明の状態)の状態が6時間以上継続した場合には、高次脳機能障害のおそれがあるとされています。

交通事故後、意識がはっきりしない状態が6時間以上続いた場合には、必ず、頭部のMRI撮影を行い、症状が安定した後に、精神科において神経心理学的検査を受けて下さい。

可能であるならば、精度の高い3テスラのMRIで頭部を撮影することをお勧めします(一般的なMRIは1.5テスラです)。

神経心理学的検査とは、口頭の質問や文字・図形・絵など用いたテストを行い、知的機能や認知機能、記憶、実行機能などにどのような影響があるか調べる検査です。

交通事故の被害者の方が、もっとも陥りやすい誤りは、この神経心理神学的検査を受けないことです。

その原因は、
どこの病院でも神経神学的検査を受けることが出来るとは限らないこと
脳外科の先生の中には、神経心理学的検査を軽視している先生が少なくないこと
が挙げられます。

実際、私も、高次脳機能障害の疑いがある依頼者に対し、脳外科の先生に、神経心理学的検査を実施している病院宛ての紹介状を書いて貰うようアドバイスをしたところ、依頼者から、『脳外科の先生が「そんな検査を受ける必要はない。」「なぜ、そのような検査を受ける必要があるのか分からない。」「弁護士から直接理由を聞きたい。」と言っている。』と言われ、医師に説明に行ったり、手紙を書いたりしたことは、1度や2度ではありません。

神経心理学的検査を受けることによって、
①高次脳機能障害の有無や程度を知ることが出来ることに加えて、

仮に障害を受けていた場合には、

②どのような能力に障害を受けているかを知ることが出来ることから、今後、どのようなことに気を付けて生活していく必要があるかを知ることが出来ます

①については、まさに後遺障害の等級認定に関わる問題ですが、交通事故後の長い人生を考えた時には、②の持つ意味は非常に大きいように思います。

少なくとも、神経心理学的検査の存在を知らなかったがために、実際には、高次脳機能障害であるにもかかわらず、自らが障害を負っていることにすら気付かずに、かつ、適正な賠償金も受けられずに、その後の人生を送ることだけは避けて欲しいものです。

後遺障害などと大げさだと思われる方も少なくないかもしれませんが、高次脳機能障害で9級若しくは7級の認定を受けられた方の大半は、日常会話は問題なく出来るなど障害がない方との明らかな違いがないように思います(一見しておかしな場合には、5級以上の等級が考えられます。)。

高次脳機能障害における後遺障害等級

3級3号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
a. 生命維持に必要な行動はできるが、労務に服すことができない
b. 記憶や注意力等に著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難である

5級2号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
a. 単純繰返し作業等に限定すれば一般就労可能だが、特に軽易な労務しかできない
b. 一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には職場の理解と援助を欠かすことができない

7級4号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
a. 特に軽易な労務等に限定すれば一般就労可能だが、軽易な労務しかできない
b. 一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができない

9級10号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
a. 通常の労務はできるが、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限される
b. 一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題がある

実際の高次脳機能障害の後遺障害の認定理由(7級4号)

実際に、高次脳機能障害の認定を受けられた方の認定理由を参考に必要な検査を考えてみましょう。

認定を受けるために、最低限行う必要がある検査・診察

⓵ 損傷の有無を画像上判断する必要があることから、
・MRI撮影(通常のMRI撮影では、1.5テスラMRIが使用されることが多いですが、3テスラMRIでの撮影をお勧めします。)

⓶ 損傷による影響がどの程度であるかを判断する必要があることから、
・神経心理学的検査

⓷ 後遺障害の認定を受けるためには後遺障害診断書の作成が必須であることから、
・高次脳機能障害の専門医による診察
を受ける必要があることがお分かり頂けると思います。

なお、場合によっては、スペクト検査やペット検査を実施する必要があることもあります。

交通事故後の生活について

後遺障害の等級認定を受け、適切な賠償金を受けることにより、全てが解決するわけではありません。

その後も、後遺障害を負ったまま生活をしなければなりません。

また、頭部に外傷を負った場合、受傷後3年~5年程度の間は、てんかんが起きる可能性が高まると言われています。

そこで、高次脳機能障害情報支援センターなどで、専門家の力を借りることも大切ではないでしょうか。

大阪鶴見法律事務所の高次脳機能障害への対応

1.高次脳機能障害の可能性がある交通事故の被害者の方については、診断書と画像をもとに、弁護士が聞き取りを行います。

2.MRI画像がない場合(CT画像しかない場合も同様)や画像が不鮮明な場合には、、協力医のもとで3テスラMRIで撮影を行い、脳の損傷の有無を確認します。

3.脳に損傷が認められる場合、、弁護士が付き添い、国立大学病院で高次脳機能障害を研究している医師のもとで診察を受けて頂きます。

4.高次脳機能障害の疑いがある場合には、大学病院で、神経心理学的検査を受けて頂きます。

5.神経心理学的検査の結果、高次脳機能障害であると診断された場合、医師に後遺障害診断書を作成して頂き、後遺障害の等級申請を行います。

弁護士が検査を手配し、診察にも立ち会えるのは、医師との太いパイプがあるからこそです。
大阪、京都、神戸、滋賀、奈良、和歌山など近畿周辺で高次脳機能障害に詳しい弁護士をお探しの方は大阪鶴見法律事務所ご相談ください。

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