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バイク事故で意識不明となったらどう対応すべき

2026.09.22

バイク事故で意識不明になったらどうすれば良い?

バイク事故では、車のように車体に守られていないため、事故によって頭部などに大きな衝撃を受け、重傷を負うことがあります。

「家族がバイク事故に遭い、意識不明になってしまった」

「このまま意識が戻らなかったらどうすればいいのだろう」

「治療費や今後の生活費は誰に請求すればいいのだろう」

突然の事故でご家族が意識不明となった場合、ご家族は大きな不安を抱えることになります。

また、重傷事故では治療が長期間に及ぶ可能性があり、後遺障害や将来の介護、損害賠償などについても検討しなければならない場合があります。

そこで、今回は、交通事故に強い弁護士が、バイク事故によって被害者が意識不明となった場合に、ご家族がどのように対応すればよいのかを解説します。

バイク事故で意識不明になった場合

バイク事故によって頭部などに強い衝撃を受けると、脳挫傷、急性硬膜下血腫、びまん性軸索損傷などの重篤な傷害を負い、意識障害が生じることがあります。

事故直後は意識が戻らなくても、その後の治療によって回復する場合があります。

その一方で、重度の意識障害が残り、将来的に常時または随時の介護が必要となる可能性もあります。

事故直後の段階では今後の回復状況を正確に予測することが難しいケースもありますので、まずは医師から傷病名、現在の状態、治療方針などについて十分な説明を受けることが重要です。

家族がまず確認しておきたいこと

被害者本人が意識不明の場合、本人が事故状況を説明したり、保険会社とやり取りしたりすることができません。

そのため、ご家族が可能な範囲で事故に関する情報を確認・保存しておくことが重要です。

たとえば、次のような事項を確認しておきましょう。

・事故を担当している警察署
・事故の発生日時、場所
・加害者の氏名、住所、連絡先
・加害車両のナンバー
・加害者側の自賠責保険、任意保険会社
・事故現場や車両の写真
・ドライブレコーダーの映像
・目撃者の有無
・被害者が加入している任意保険の内容

交通事故については警察への届出が重要であり、自賠責保険の請求などでは交通事故証明書が必要になることがあります。

事故の証拠をできるだけ早く確保する

被害者が意識不明の事故では、被害者本人から事故状況を聞くことができないため、事故態様が争いになることがあります。

たとえば、

「バイク側にも大きな過失があった」

「急にバイクが飛び出してきた」

などと加害者側から主張されても、被害者本人が反論できない場合があります。

そのため、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像、事故現場の写真、目撃者の情報など、客観的な証拠をできるだけ早い段階で確保することが重要です。

特に防犯カメラやドライブレコーダーの映像は、一定期間が経過すると上書きされる可能性があります。

重大なバイク事故では、事故直後から証拠の確保を意識することが大切です。

治療費は誰が支払う?

相手方が任意保険に加入している場合、相手方の保険会社が、治療費などを病院に支払ってくれることが一般的です。

もし相手方が任意保険に加入していない場合や任意保険会社が対応を拒んでいる場合には、自賠責保険への請求、人身傷害保険への請求、労災保険への請求などを検討しましょう。

もっとも、自賠責保険では、傷害による損害として治療費、看護料、入院中の諸雑費、休業損害、慰謝料などが補償の対象となりますが、傷害部分の上限額は120万円ですので、重度の傷害を負った場合には、治療費全額の支払いを受けることは困難です。

過失割合や事故状況などによって異なる対応が必要ですので、保険会社から説明を受けた内容をそのまま受け入れるのではなく、疑問がある場合には専門家へ確認することをおすすめします。

意識が戻らない場合は後遺障害の問題が生じる

治療を続けても重度の意識障害が残った場合、後遺障害等級の認定が問題となることがあります。

自賠責保険では、神経系統の機能または精神に著しい障害が残り、常時介護を必要とする場合には「別表第一第1級」、随時介護を必要とする場合には「別表第一第2級」が認定される可能性があります。

後遺障害等級が認定された場合には、その内容に応じて、

・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来介護費
・介護用品や介護設備等に関する費用
・自宅改造費
・車両改造費

などが損害として問題となることがあります。

特に重度の後遺障害が残った事故では、将来にわたって介護が必要となる可能性があるため、損害賠償額が非常に大きくなることがあります。

将来介護費も重要な損害になります

意識障害などによって常時介護が必要になった場合、退院後も家族による介護や職業介護人による介護が必要になることがあります。

このような場合には、将来必要となる介護費についても損害賠償請求の対象となる可能性があります。

また、自宅で生活するため、

・段差をなくす
・介護用ベッドを設置する
・浴室やトイレを改修する
・車いすで移動できるようにする

といった住宅改造が必要になることもあります。

重度後遺障害の交通事故では、「現在発生している治療費」だけではなく、「将来どのような費用が必要になるのか」という視点から損害を検討することが重要です。

意識不明の場合、本人に代わって家族が示談できる?

被害者本人に意思能力がない状態では、原則として、ご家族だからという理由だけで当然に本人に代わって示談を成立させられるわけではありません。

事故後の状態によっては、成年後見制度の利用などを検討する必要が生じる場合があります。

特に、高額な損害賠償が問題となる重大事故では、誰がどのような権限で保険会社との交渉や法的手続きを行うのかが重要になります。

本人の意識が戻らない状態が続いている場合には、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

すぐに示談を成立させないことが重要

重大なバイク事故の場合、事故直後の段階では最終的な損害額を判断できません。

今後どの程度まで回復するのか、後遺障害が残るのか、介護が必要になるのかなどによって、損害額が大きく変わるためです。

そのため、十分な検討をしないまま保険会社から提示された金額で示談を成立させることは避けるべきです。

一般的に、示談成立後に新たな損害が判明しても追加請求が難しくなる可能性があります。

特に意識不明となるほどの重大事故では、示談を成立させる前に、損害の範囲や後遺障害について慎重に確認する必要があります。

意識が戻っても高次脳機能障害が残る可能性があります

バイク事故で頭部に強い衝撃を受け、一時的に意識不明となった場合でも、治療によって意識が戻ることがあります。

意識が戻れば、ご家族としては「これで大丈夫」「元の生活に戻れる」と安心されるかもしれません。

しかし、「意識が戻った=元どおりに回復した」というわけではありません。

事故によって脳に損傷を受けた場合、意識が回復した後も、記憶力や注意力、判断力などに障害が生じる「高次脳機能障害」が残る可能性があります。

高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害とは、交通事故などによって脳が損傷した結果、記憶、注意、判断、感情のコントロールなどに問題が生じ、日常生活や社会生活に支障をきたす障害です。

たとえば、

・物事を覚えられない、すぐに忘れてしまう
・同じことを何度も聞く
・集中力が続かない
・複数のことを同時に行うことが難しくなる
・物事の段取りを考えたり、計画を立てたりすることが難しくなる
・仕事上のミスが増える
・感情をコントロールすることが難しくなる
・以前より怒りっぽくなる
・事故前と性格が変わったように感じられる

などの症状が現れることがあります。

そのため、意識が回復して身体を動かせるようになったとしても、事故前と同じように仕事や日常生活を送ることが難しくなる場合があります。

高次脳機能障害は見逃されやすい後遺障害

高次脳機能障害で特に注意しなければならないのは、外見からは障害が分かりにくく、見逃されてしまうことがあるという点です。

手足の麻痺や歩行障害などとは異なり、高次脳機能障害は、被害者と短時間会話をしただけでは問題がないように見えることもあります。

「普通に会話ができている」

「一人で歩くことができている」

「見た目は事故前と変わらない」

という場合でも、実際の日常生活に戻ってみると、記憶力や注意力、判断力などに問題が生じていることがあります。

たとえば、仕事に復帰して初めて「以前できていた仕事ができない」「指示されたことをすぐに忘れてしまう」「仕事の手順を組み立てられない」といった問題が明らかになることも考えられます。

そのため、バイク事故で意識不明となった後に意識が戻ったとしても、その後の経過を慎重に確認することが大切です。

主治医がいないことが一番の問題

脳損傷で救急搬送された場合、脳からの出血が止まって、今後、出血の可能性がなくなった時点で、治療終了と判断されることが一般的です。

そのため、後々、本人や家族が、何かおかしいと感じたとしても、相談する主治医がおらず、誰に相談して良いか分からないといった事態に陥ることが大半です。

必要な時に、肝心の主治医がいないことが、高次脳機能障害が見逃される一番の原因といっても過言ではないと思います。

家族が「事故前との違い」に気付くことが重要

高次脳機能障害を見逃さないためには、事故前の被害者の状態をよく知っている家族が、事故前と事故後の変化に気付くことが非常に重要です。

たとえば、

「同じ話を何度もするようになった」

「約束を忘れるようになった」

「以前より集中できなくなった」

「簡単なことでも段取りよくできなくなった」

「急に怒り出すことが増えた」

「以前より無気力になった」

「金銭管理ができなくなった」

「事故前とは性格が変わったように感じる」

などの変化がないかを確認してください。

このような変化は、診察室での短時間の会話だけでは分からず、日常生活を共にしている家族だからこそ気付ける場合があります。

また、仕事上の変化については、職場の上司や同僚が最初に気付く場合もあります。

気付いた変化を具体的に医師へ伝える

事故後に気になる変化があった場合には、単に「事故後、様子がおかしい」と伝えるだけではなく、具体的なエピソードとして医師に伝えることが大切です。

たとえば、

「事故前は自分でスケジュール管理をしていたが、事故後は何度も予定を忘れるようになった」

「以前は問題なくできていた仕事の手順が分からなくなった」

「事故前にはなかったのに、些細なことで突然怒るようになった」

など、事故前にはできていたことが、事故後どのように変わったのかを具体的に整理しておくとよいでしょう。

ご家族が気付いた変化について、日付や具体的な出来事を記録しておくことも重要です。

高次脳機能障害が後遺障害として認定される可能性

交通事故によって高次脳機能障害が残った場合、その症状や日常生活・仕事への影響などに応じて、後遺障害等級が認定される可能性があります。

後遺障害等級の認定では、医療機関における診断や検査だけでなく、事故後の意識障害の経過、画像所見、日常生活や社会生活にどの程度の支障が生じているのかなどが重要になります。

高次脳機能障害を見逃したまま適切な検査や診断を受けていない場合、その後の後遺障害等級認定において問題となる可能性もあります。

そのため、バイク事故で頭部に強い衝撃を受けたり、事故後に意識不明・意識障害となったりした場合には、意識が戻ったから大丈夫と考えるのではなく、高次脳機能障害が残っていないかについても注意することが重要です。

特に本人が症状を自覚できていない場合があるため、ご家族が事故前と事故後の違いを注意深く観察し、気になる変化があれば具体的に医師へ伝えるようにしましょう。

高次脳機能障害は、その後の仕事や日常生活だけでなく、後遺障害等級や損害賠償額にも大きく関係する可能性があります。

バイク事故によって意識不明となった場合や、意識が戻ったものの事故前とは様子が違うと感じる場合には、医師に相談するとともに、交通事故に詳しい弁護士へ早めに相談することをおすすめします。

高次脳機能障害は専門的な検査が必要

交通事故によって頭部に強い衝撃を受けた場合、意識が戻った後も、高次脳機能障害が残ることがあります。

高次脳機能障害では、記憶力や注意力、判断力などに問題が生じても、外見上は事故前と変わらないように見えることがあります。

そのため、「普通に会話ができているから大丈夫」「歩くことができているから後遺障害はない」と判断することはできません。

高次脳機能障害の有無や程度を適切に把握するためには、事故後の日常生活の変化を確認するとともに、必要に応じて画像検査や神経心理学的検査などの専門的な検査・評価を受けることが重要です。

MRIやCTなどの画像検査

高次脳機能障害が疑われる場合には、まずMRIやCTなどの画像検査が重要となります。

これらの検査によって、事故による脳の損傷が確認できる場合があります。

もっとも、高次脳機能障害は、画像だけを見て判断するものではありません。

事故後にどのような意識障害があったのか、どのような認知機能の低下が生じているのか、日常生活や仕事にどのような支障が生じているのかなどを神経心理学検査によって明確にする必要があります。

神経心理学的検査とは?

高次脳機能障害では、記憶力、注意力、知的能力、遂行機能などを客観的に評価するため、「神経心理学的検査」が必要不可欠です。

たとえば、記憶障害については、

・WMS-R(ウェクスラー記憶検査)
・三宅式記銘力検査
・RBMT(リバーミード行動記憶検査)
・Rey複雑図形検査

などが用いられることがあります。

このほかにも、知能、注意機能、遂行機能などを調べるためのさまざまな検査があります。

重要なのは、一つの検査結果だけで高次脳機能障害の有無を判断するのではなく、疑われる症状に応じて必要な検査を行い、その結果を総合的に評価することです。

普通に会話できても障害が隠れていることがある

高次脳機能障害が見逃されやすい理由の一つは、短時間の診察や日常会話だけでは障害が分からないことがあるためです。

たとえば、診察室では医師からの質問に問題なく答えることができても、実際の生活では、

「約束したことをすぐに忘れる」

「仕事の指示を覚えていられない」

「一つのことに集中できない」

「複数の作業を同時にできなくなった」

「仕事の段取りを考えられなくなった」

「些細なことで怒るようになった」

などの問題が生じている場合があります。

そのため、単に「会話ができるか」「歩けるか」ということだけではなく、記憶、注意、判断、遂行機能、社会的行動などを専門的に評価することが重要になります。

家族が気付いた変化を医師に伝えることが重要

高次脳機能障害が疑われる場合には、ご家族が事故前と事故後の違いを具体的に整理して、医師に伝えることも大切です。

たとえば、

「事故前は仕事の予定をすべて自分で管理していたが、事故後は何度も予定を忘れるようになった」

「事故前は温厚だったが、事故後は些細なことで怒るようになった」

「以前は一人でできていた家計管理ができなくなった」

など、事故前と事故後を比較して具体的に伝えるとよいでしょう。

日常生活で気付いた変化について、日時や具体的な出来事を記録しておくことも一つの方法です。

高次脳機能障害に詳しい医師に辿り着くことは極めて困難

高次脳機能障害が疑われるにもかかわらず十分な検査が行われていない場合には、高次脳機能障害について専門的な診断・評価を行っている医療機関を受診することが必要不可欠です。

しかしながら、バイク事故で意識不明となった場合、通常、救命救急センターなどの大きな病院に搬送されることが一般的ですが、救命救急センターなどの大きな病院においては脳から出血が止まった時点で治療の必要はないと判断され、その後、経過観察を行わないことが一般的です。

脳は再生しない臓器の一つであるうえ、次から次へと重傷の患者が運ばれてくる救急救命センターの対応としては、やむを得ないと言わざるを得ません。

そのため、高次脳機能障害が疑われる状況が判明した時点では、すでに主治医が存在せず、相談や検査ができないといった事態に陥るのです。

そのうえ、高次脳機能障害の専門的な検査を行ってくれる医療機関が極めて限られていることから、全く知識のない方が、限られた時間の中で、専門医に辿り着くことは極めて稀だと思います。

当事務所は、大学病院の医師に高次脳機能障害の検査を依頼していますが、近年、大学病院の受診には紹介状が必要不可欠ですので、主治医が存在しない状況で、大学病院を受診することなど凡そ不可能です。

バイク事故で弁護士に相談するメリット

意識不明となるほどの重大なバイク事故では、通常の交通事故以上に専門的な対応が必要不可欠性です。

弁護士に相談することで、

・事故状況や過失割合の検討
・証拠収集についてのアドバイス
・加害者側保険会社との交渉
・後遺障害等級認定のサポート
・慰謝料や逸失利益の計算
・将来介護費の検討
・成年後見制度等の検討
・高次脳機能障害専門医の紹介・検査の手配
・損害賠償請求や訴訟への対応

などを依頼することができます。

特に重度後遺障害が残る可能性のある事故では、後遺障害等級や将来介護費などによって賠償額が大きく変わることがあります。

事故後の早い段階から交通事故に詳しい弁護士へ相談することが重要です。

大阪市周辺でバイク事故にお困りの方へ

バイク事故によってご家族が意識不明になった場合、「今後どうなるのか」「何から始めればいいのか」と不安になるのは当然のことです。

特に重傷事故では、治療だけでなく、保険会社との交渉、後遺障害、将来の介護、生活費、損害賠償など、さまざまな問題に対応しなければなりません。

弁護士法人大阪鶴見法律事務所では、大阪市、門真市、守口市、大東市、東大阪市など大阪府で交通事故・バイク事故に遭われた方やそのご家族からのご相談に対応しています。

ご家族が意識不明となるような重大な交通事故では、事故直後の対応がその後の損害賠償請求に影響することもあります。

「家族がバイク事故で意識不明になった」

「保険会社から連絡が来たが、どう対応すればいいか分からない」

「重い後遺障害が残る可能性がある」

「将来の介護費まで請求できるのか知りたい」

このようなお悩みがある場合には、一人で抱え込まず、交通事故に強い弁護士が在籍する弁護士法人大阪鶴見法律事務所へ早めにご相談ください。

早めの相談が最善の解決の第一です。

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